家づくり豆知識/大切な土地の選び方

2022.922

例えば、あなたが住みたいとお考えの地域で、

このような分譲地があった場合、

あなたは、ABCの中の

どの土地を選ばれるでしょうか?

 

 

おそらく直感的には、

ABの土地がいいかなと

思われたのではないでしょうか?

 

Cは南に家が建っているため、

日当たりが悪くなりそうなのに対し、

ABは南が道路となっているため、

日当たりが良さそうですからね。

 

では、もう少し具体的に

条件をつけてみるので、

改めて考えてみてください。

 

南道路であるABは、

土地の価格が坪あたり20万円とし、

東道路であるCは、

土地の価格が坪あたり18万円だとしたら、

いかがでしょうか?

 

ABは、50×20万円=1000万円で、

Cは、44×18万円=792万円

ということですね。

 

同じ立地でありながら、

200万円ほど金額に違いが出ますが、

この条件が加わるとしたら、

あなたはどちらを選ばれますか?

 


土地の考え方


日当たりの良さは最重要ポイントなので、

値段で妥協すべきではないと思っていること。

かつ、200万円という価格差は、

35年という長期で考えると、

そう大きなものではないような気がしてしまうこと。

 

この2つの理由から、

日当たりが良い土地を買いたいと思うのが、

ごく当たり前の気持ちだと思います。

 

しかし、この分譲地の場合、

土地購入に際して

もう1つ考えなければいけない

重要なポイントがあります。

 

それは、「ワンルームマンション」が、

道路を挟んだ場所にあるということです。

 

しかも、図面には書いていませんが、

このワンルームマンションは、

3階建てで全24部屋あるのですが、

共用部分となる通路と玄関が全て北面にあります。

 

つまり、ABの土地は、

目の前にあるワンルームマンションから

常に丸見えの環境にあるというわけなんですよね。

 

それゆえ、このABに家を建てる場合、

ワンルームマンションからの視線を

完全に遮断しなければいけません。

 

せっかく南からの光をたっぷりと

家の中に採り込める土地を

買ったにもかかわらず、です・・・

 


環境を無視して家を設計してしまうと・・・


例えば、ABの土地の良さを活かして、

南に出来るだけ多くの部屋を配置し、

かつその南面に大きな窓をつくったとしたら、

一体どうなるでしょうか?

 


おそらく、その窓に付けたカーテンを

ずっと開けることが出来ないままでいるのでは

ないでしょうか?

そして、朝からずっと電気をつけたまま

過ごさないといけなくなってしまいます。

 

また、ウッドデッキを庭につくった場合も、

使いやすいウッドデッキにはなりません。

マンションからだけじゃなく、

周囲からも丸見えになってしまうからです。

 


こんな状況になってしまったのでは、

せっかく高いお金を出してこの土地を買ったのに、

意味がないと言っても過言ではないと思いませんか?

 

一般的には、南向きの土地が一番良いと

当たり前のように言われています。

しかし、現実は南向きの土地は

最も設計が難しい土地です。

 


日当たりが良いがゆえに、

南に部屋や窓をつくらないといけないという

バイアスがかかることから、

必然的にプライバシー性と防犯性が

ともに悪い家になってしまうからです。

 

ですから、単純に日当たりが良さそうだとか、

みんなが良いと言うからという理由でだけで、

南向きの土地を選ばないように

気を付けていただければと思います。

 

たとえ、土地の日当たりが悪そうでも、

だからと言って、

家の日当たりまで悪くなるわけではないし、

むしろプライバシー性と防犯性に優れた家に

しやすいというメリットがありますから!

 

では、次回は、

日当たりが悪そうなこの分譲地のCの場合、

どのように設計すべきなのかについて、

お伝えしていきたいと思います。

 

それでは、、、